- 戦略的人事にITを活かす - 人材・組織システム研究室
第一回、第二回と、1998年から現在まで、人事をめぐって起きてきたことについて整理をしてみた。 そこで今回は、これからの人事に何が求められているのか、人事担当者はどういったことを考えていかなければならないのかについて、考えてみたい。 しかし、単なる理想論を掲げても、「できればいいよね」といった絵に描いた餅になってしまう。 そこで、今回は、ある総合電機メーカーの人事マネージャーが作成した「これからの人事」についての考え方を基に2006年頃から多くの企業の人事の人たちと行ってきた研究会で議論してできあがったものの抜粋を提示しよう。
3. リーダーシップ
これは、特に人事担当者向けのリーダーシップがあるということではないが、人事という仕事で成功していくために特に必要なものというものがある。
資質・能力
資質・能力という面では、まず、「人を尊敬し、大事にすること」。
実は、これが何より大事な資質・能力だと思っている。
人事にも、案外人が好きではない人たちがいる。人にはあまり興味がないけれど、「労働法が好き」とか、「制度を作るのが好き」といった、ある種マニアックな世界で専門性を磨いてきて、結果人事部長になっているような人もいるのだ。それは、人材をマネジメントしていくにあたって、思っている以上に危険なことだと思う。
次に、「自分で自分のやる気を呼び起こせる」。
人事は営業のように短期に明確な数字が出る仕事ではない。だから、周囲から与えられた明確で、短期的な指標に対する評価にモチベーションが大きく左右される傾向が強すぎる人は、人事で活躍できない可能性が高い。
三番目に、「人の話を聞いて、反省できる」。
人事には「賢い」人が配属されることが多いから、実は案外人の話を聞けない人がいる。特に、現場の話を素直に聞いて、素直に反省し、そこから学ぼうとできる資質は重要だと思う。
最後に、「自分自身がわかっている」。
自分自身がわかっていない人に、相手のことがわかるはずがない。また、自分がわかっていない人は、軸がぶれる可能性が高い。当たり前のようだが、「自分自身がわかっている」というのは、人を扱う仕事に就く人には重要な資質なのだ。
技術
リーダーシップの技術としては、
・ 人と人のコミュニケーション、組織内部でのコミュニケーションの技術
・ チームを作る技術
・ 企画、組織化の技術
を持っていることが求められている。
第八回 これからの人事部のあり方 〜 新たな人事の役割を考える
第六回 成功するコーポレートユニバーシティ・失敗するコーポレートユニバーシティ