- 戦略的人事にITを活かす - 人材・組織システム研究室
第一回、第二回と、1998年から現在まで、人事をめぐって起きてきたことについて整理をしてみた。 そこで今回は、これからの人事に何が求められているのか、人事担当者はどういったことを考えていかなければならないのかについて、考えてみたい。 しかし、単なる理想論を掲げても、「できればいいよね」といった絵に描いた餅になってしまう。 そこで、今回は、ある総合電機メーカーの人事マネージャーが作成した「これからの人事」についての考え方を基に2006年頃から多くの企業の人事の人たちと行ってきた研究会で議論してできあがったものの抜粋を提示しよう。
私が多くの人事担当者に会うなかで、常々「足りない人が多いな」と感じている資質は、特に以下の4つだ。
・ 好奇心
・ 社交性
・ オープンマインド
・ 向上心
なぜかと言えば、しばしば以下のような場面に出くわすからだ。
私はよく、人事担当者を他社の人事の人たちと交流できるような会に誘う。もちろん、喜んで参加する人もいるけれど、結構多くの人が、「今、忙しいので・・・」と断ってくる。その割に、よく聞いてみると社内での飲み会には参加していたりする。
従来型の「守り」の人事業務に没頭していると、もともとはあったはずの「好奇心」「社交性」「オープンマインド」「向上心」といったものが、無くなっていってしまうのかもしれない。
日本の経済は、もはや大量生産・大量消費の時代ではない。だから、キャッチアップ型のビジネスモデルはもはや通用しない。
これまでにない新しい価値をいかに創造するかが、今後の企業にとっては勝負所である。
実際に、これまでには考えつかなかったような、業務提携や合併が起こっている。
ビジネスの最前線は、そのように既成概念を超えた動きをしようとしているのに、人事が社内や、同業界内のクローズドな交流だけに留まっていては、経営の要請にタイムリーに応えられるわけがない。これからは、異業種間の人事担当者の交流や、新しい経験・知識といったものは、重要になってくるはずだ。
これから人事の分野で活躍していきたいと思うならば、
新しいものに興味を持って接する。
自分とは違った世界の人と積極的に交流する。
新しい価値観に触れてみる。
知らない・触れたことのない世界を学ぶ。
そうした意識を持って行動をすることをお勧めしたい。
第八回 これからの人事部のあり方 〜 新たな人事の役割を考える
第六回 成功するコーポレートユニバーシティ・失敗するコーポレートユニバーシティ