第1回 円形に近づけはつかづくほど、価値が上がるのか?

インフォテクノスコンサルティングは、企業の経営と業務をサポートするビジネスアプリケーションシステムの、コンサルティングからシステム設計、開発、運用サポートまでを行う会社です。

その中で、戦略人事の面で、ITにはまだまだ貢献ができるはずである、という信念から、Rosic人事情報システムシリーズを開発、販売しています。

そんな会社のマーケティング担当が、なぜ「適材適所」にこだわるのか、まずはご説明させていただきたいと思います。

ここに、ある従業員の方の性質を示した「レーダーチャート」があったとします。そこで図られているのが、「協調性」「柔軟性」「規範性」「論理性」 「革新性」だったとします。図をみると、柔軟性と協調性の部分が大きく凹んでいます。そして、革新性と論理性が高いのが一目でわかります。

さて、そのような特性をみたら、皆さんならどのように思われるでしょうか?

柔軟性と協調性が低いので、その部分を強化しなければならない、と反射的に思ったりしませんか?

少なくとも私は今までそんな発想で生きてきたと思うのです。

例えば中学時代。

国語・数学・理科・社会・英語。私の場合、数学と英語が苦手だったので、その2科目が強化科目でした。

そこで生まれる感情は、「いつも何かが足りない私」だったと思います。

レーダーチャートで測られる、10点満点に対する各項目の絶対評価。大抵の人は凸凹な形になって、円形はしていないのではないでしょうか?

しかし、円に近ければ近いほど価値が高いと信じて、凹をできるだけ埋めようとしていませんか?

私は、学校を卒業して、会社に入ってからも、そんな発想でつい最近まで生きていました。

私はいつでも何が足りないから、自分の外にある「不足分」を一生懸命取り込まなくてはならない、という脅迫観念です。

でもあるとき、私は私が持つ凸凹の形であることに価値があるのだということに気がつきました。
そうした形は私しかもっていない、貴重なことで、否定的な見方から入るものではない、ということに思い至ったのです。

最初のレーダーチャートに戻ると、まずは、革新性と論理性の高さに注目したいと思います。そして、この方にそれを活かせる場を提供したい。そして、できれば、柔軟性と協調性に優れた人と組み合わせて、二人の力を二人以上にできないか、考えたい。

そういう中で、それぞれの人に有能感が生まれ、同時に自分の弱みを補ってくれる人に対する感謝が生まれます。

昔の私を思い出すと、自分の「不足分」に気を取られるあまり、そこに優れている人がいた場合に、素直に助けてもらおうとは思えず、ねたみの気持ちが 湧いてきて、張り合おうとしてしまっていました。だから、自分の方が優れいている部分で、相手をサポートしようなんて思えなかったのですね。。。

個人としてももったいなかったし、組織としてももったいない話です。(昔の上司、同僚の方、すみません)

まず、一人一人が力を発揮できる場所(方法)で更にその力を磨いてもらい有能感を持ってもらう、という発想で人が働ける環境を提供していくことが、結局は組織としての力を支えて、組織としての成功につながるのではないでしょうか。

そして、人との比較の中で得た相対的な自信ではなく、自分の根っこに根ざしたものに支えられる絶対的な自信を持てたときに、はじめて素直に自分の弱みと向き合うことができて、すぎのステップへと成長していけるように思います。

人事をITでサポートするというと、「数字やデータで人のことを割り切ることは納得できない」という反応に会うことがあります。それは確かだと思い ます。しかし、従業員が増えてきて、すべての人の顔を名前、その特徴を一致させることができなくなる規模になったとき、ITというツールは力を発揮しま す。

そんなわけで、「適材適所」という状態を作り、維持していくためにITが何ができるのか、そんな課題を持ちながら、このエッセイを書いていきたいと思います。

(2007年8月29日)

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