- 戦略的人事にITを活かす - 人材・組織システム研究室
以前このメールマガジンでご紹介していましたが、10月10日から12日までシカゴで行われた「HR Technology 2007」というイベントに参加してきました。
「HR Technology 2007」は今年で10年目を迎える、人事関連の技術サービス・ソリューションをテーマにした大会です。
大きく分けて、ソリューションを提供する企業の展示会と、様々な切り口からのセミナーやパネルディスカッションのパートで構成されています。
日本でいうと、日経BP社主催の「ヒューマンキャピタル」に近いもの、と言うことができるでしょう。
10年目を迎えるこの大会は、過去3年で参加者が2倍になったといいます。(セミナーへの全日参加費用は15万円程度かかるにも関わらず、です。)
はっきりと発表を聞いたわけではありませんが、全体では万単位の方が参加していたようです。
日本では考えられないことですが、参加者には、他参加者の全員の氏名と会社名、役職の一覧が配られます。
それを見ると、参加者の出身地もUS全土にとどまらず、世界各国から参加しているのがわかります。ちなみに今年は、初めてロシアからの参加もあったそうです。
展示会への参加も200社以上。「人事システム」の世界的な一大イベント、ということができるでしょう。
これから数回にわたって、このイベントで話題になっていたことについて発信していきたいと思っています。
今年、話題になっていたのは以下のようなことでした。
○「Talent Management」(今年一番「ホット」なキーワードでした!)を、どのように会社に浸透させていくのか。
○ 人事データを、経営のために活用するためにはどのようなことを考えなければならないのか。
(アメリカでも、人事のデータは活用されていない!という認識が前提)
○ 人事と技術の関係。技術は人事戦略をどうサポートすることができるのか。
○ 人事システムは誰のために存在するのか?
○ アメリカの人事関連システム開発者が今、注目している分野は何か。 など
個人的には、アメリカ発のものが絶対的に進んでいる、とは考えていないのですが、「人事と技術」という観点を、とことん考え抜き、実際に実行していくパワーには正直関心させられました。
特に、後ろにメーカーの「紐」がついてない「人事システム」のアナリストが、既存のシステム(大手も含め)の弱みや現状を歯に衣着せずに指摘する様は、人事システムのメーカーの立場ではありながら、気持ちのいいものでした。
例えば以下のような感じです。
「人事の世界では、綜合的なシステムが導入できれば、『ベストプラクティス』が取り入れられるので自分たちの仕事を向上できると考えてしまう傾向がある。
私はその人たちに言いたいと思うんです。
『どんなに優秀なスペルチェックがついているワードプロセッサーを導入しても、文章がうまくなるわけじゃないですよ』と。」(Naomi Lee Bloom/ITコンサルタント)
といった視点を忘れずに、シカゴでの大会のポイントと、そこから日本での人事システムが何を学ぶことができるのか、考えていきたいと思います。
ご期待ください。
(2007年10月26日)