第87回 「今、自分の目の前にあること」に取り組むこと

東日本大震災から2週間が経とうとしています。

私の場合、ショックと混乱の一週目、手探りながら活動を再開した2週目という感じで過ごしてきました。
皆さんはいかがだったでしょうか?

今回の大震災は、ビジネスや生活への影響だけではなく、自分自身の在り方にも大きな影響を及ぼし
ました。「今日と同じ明日が来る」と信じていたときには、気づくことなく見過ごしてしまうことに、いくつも
直面させられたからです。

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社会に出てから20数年間、それなりに修羅場をくぐりぬけてきたと思っていたのですが、そんな認識は
甘かったと思い知らされました。これまでは、何でも頑張ればどうにかなると信じてきましたし、確かに
どうにかなってきました。

しかし、震災の被害の甚大さが明らかになっていくにつれて、いくら一人が頑張ったところで、これだけの
ダメージには対抗できないのではないかという思いに取りつかれ、数日間押しつぶされそうな気分になり、
少しだけ体調を崩してしまいました。(今は元気です)

そして、そんな弱さが自分の中にあることに今まで気がつかなった(もしくは見ないふりをしていた)自分
自身が情けなくなりました。
(私の周囲の被害など東北地方の被災地に比べればまったく軽微なのに!)

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震災直後のスーパーマーケット。カップラーメンや乾燥めん、缶詰、パンの棚がほぼ空になっている状態
を見て、「東京では買いだめが必要ない」「被災地に物資が回るのが先決」と頭ではわかっていながら、
いつもは買わないような缶詰や食品を手にしてレジに向かった自分。通常なら「無駄な買いだめなんて」
と偉そうにいっているに違いない自分が、不安になって取ってしまった行動に、後から恥じ入ったりもし
ました。

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しかし、同時に、そうした弱さを持った自分に否が応でも直面させられたことで、助けの手を差し伸べて
くれる人のありがたさ、話を受け止めてもらえる大切さを改めて感じることになりました。

またマイナスばかりではなく、こんな状況の中だからこそ、ここまで生きてきた中で獲得してきた強さを
再認識することもできました。

4月以降、どんなことが待っているのか想像できませんが、この状況を乗り越えていくことで、少しでも
成長し、復興に微力ながら貢献していきたいと思います。

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人間万事塞翁が馬。

子供の頃父から教わって以来、一番好きな格言の一つです。
そんなことを言っていれないような状況にいる方々もいる、と不快に思われる方もいらっしゃるかもしれ
ません。

ただ、ひとつだけ言えることは、未来を変えるためできることは、「今、自分の目の前にあること」に取り
組むことだけ、ということです。
過去を懐かしがっても、今を嘆いても、残念ながら何も変わらない。
起きてしまったことからは何か学ぶことがあるはずだと信じて、「今、自分の目の前にあること」に取り組む
しかないと思っています。

そのために、「人間万事塞翁が馬」は、力を与えてくれるのではないでしょうか?

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来年の今頃には、「去年は大変だったけど、あのことで得られたことも多かった」と言えるように、一日
一日目の前のことに取り組んでいきたいと思います。

皆様のビジネス・生活が一日も早く元に戻り、更に発展していくことをお祈りいたします。

(2011年3月24日)


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