- 戦略的人事にITを活かす - 人材・組織システム研究室
昨日から、「ヒューマンキャピタル2011」という展示会が始まり、弊社も出展をしています。この展示
会への出展はこれで8年目。当初は人事系のシステムの展示としてスタートしたと聞いていますが、
今ではシステム・ITに限らず、教育・研修、コンサルティングなど広く人事に対するサービスを提供する
会社が参加する展示会になっています。
1年前のこと。7年目の参加を決める際、Webで多くの情報が収集できる今、来場者にとっての展示会
の意義は低くなっているのではないか、と正直思いました。お金をかけて参加する価値があるのだろう
か、と。大手の人事情報システムパッケージベンダーが参加を見合わせるようにもなっていました。
また、ここ数年、参加ベンダーの激しい名刺獲得合戦が繰り広げられることもあり、来場者はお目当て
以外のブースや名前を聞いたことのない会社のブースの前は、声をかけられないように足早に通り過ぎ
ていきます。
なかなかまともな会話ができません。それでも、システムの新機能をリリースしたこともあり、結局は
参加を決めました。
そんな去年の展示会でしたが、想像していなかったことが起きました。明確な意思(「課題を解決できる
ソリューションを探し出す!」)を持ってブースに足を運んでこられる方が多数いらしたのです。
呼び込みをするまでもなく、一直線にブースに入ってこられる。その中には、いわゆる大手と言われる
企業の次長・部長クラスの方も少なくありませんでした。
そこで何人もの方とお話をしてみてわかったことは、本当に求めているものを探し当てるには、その会
社名やサービス名を知っているか否かにかかわらず、直接目で確かめて、話をするのが一番であると考
えている、ということでした。一昨年には、あまり感じられなかった流れです。
今、何かを探そうと思って真っ先に取る行動は、Webの検索エンジンにキーワードを入れて検索するこ
とでしょう。検索結果として、多くのサイトが並びます。そこに対して資料請求をする。その資料を比較
検討する・・・。
そこに並んでいたのは「選択した検索エンジンが持つロジックに合った」サイトの一覧であって、
必ずしもその表示順が「自分が探している答えに合っている」度合いを示しているとは限りません。
今Webサイトのリニューアルのために様々なサイトを検証していて感じていることなのですが、
競合し合う会社名と製品・サービス名を隠してテキスト情報だけみたら、どれがどれだかわからないく
らい同じことを言っているというケースも少なくありません。紙で作られた資料もまたしかりです。
ご多分に洩れず弊社でも、探されやすいWebサイトを作成する、独自性のあるコンテンツを提供する、
という活動に力を入れています。これはこれで非常に重要なことでし、今後も取り組んでいきます。
一方で、ここ数年、真剣に自社の課題を解決してくれるソリューションを探している方たちが、検索エ
ンジンのロジックに基づく結果の順位やWebサイト・紙の情報、「一般的な評判」という二次情報だけ
では、見落としや判断ミスがあるのでは?感じ始めているのを肌で感じます。
実際、昨年の展示会でブースに次長や部長クラスの方に来ていただいたケースでは、すでにシステム導
入をしていただきました。
指を動かすだけで多くの情報が取れる思って取った行動の結果が思う通りではなかった経験を通じて、
今、生のコミュニケーションに基づく判断の重要性が、改めて見直されているのだろうか、と。
今日、できるだけ多くの方に、真剣に、生の情報を直接ご提供していきたいと思います。
(2011年7月7日)