2021 / 07 / 14
第163回 「なぜ人事は、システム活用で自社の真の問題にたどり着けないのか?」
リモートワークが増えて、明らかにコーヒーを飲む回数が増えました。 「ちょっと休憩」というときに、キッチンに入り、お湯を沸かしてコーヒー を入れる。少しだけ手間がかかり、水を飲むよりも特別感がある。ミルクも 砂糖も入れなければカロリーゼロ。ちょうど良い気分転換になるからです。
飲む量が急に増えたので、コーヒーって体に悪いのだっけ?と思い、 調べてみると、どうやら最近は「コーヒーは体に良い」と考えるのが主流に なっているようです。私が若い頃は、コーヒーは体に悪いという考えの方が 有力だったと思うのですが・・・。
リモートワーク+増加で話題になることも多いアルコールも「適量ならいい」 とか「赤ワインのポリフェノールは動脈硬化を予防する」といった"酒は百薬 の長"的なとらえ方に対して、「アルコールは少量でも毒」との論文が2015年 に世界五大医学雑誌の中の一冊に発表され話題になりました。
TV番組でその効用の高さが伝えられた次の日に、日本中のスーパーから姿を 消したことがある「納豆」(ずいぶん前の話ではありますが)。その効用に 疑いはありませんが、ワーファリンとという血液を固まりにくくする薬を飲ん でいる人にとっては、その効果を弱めてしまうので、食べることを禁止される 「危険」な食品になります。
「コーヒーは体にいい」「コーヒーは体に悪い」「適量の酒は体と精神に良い」
「お酒はどんなものでも毒」「納豆は理想の健康食品」・・・・
おそらく、それぞれの実験結果や見解は、それぞれで設定した条件下では 正しいことなのだと思います。また、人ぞれぞれの体や精神の傾向・特徴が、 その効能や危険性の高低を左右する、という側面もあるでしょう。
自分の状況を元に、自分の責任で判断するものだ、と捉えることが 大事だと思いました。
今、人事関連のシステム・データの世界では、とにかく沢山の情報が飛び交い、「これが正しい」「これはダメ」という、ベンダーやアカデミックからの声で溢れている印象です。これらは新しく発見・証明されたとされることが多いにも関わらず、すべての会社・組織・従業員にとって重要で正しいと認識してしまう、という現象が起きているように見受けられます。そのために、実は多くの会社で、自社の喫緊で真の人事課題から離れていってしまうリスクにさらされているのではないか、と感じています。
私は人事関連のシステム・データ活用に関わる領域に17年以上関わっていますが(長ければいいとは思っていませんが)、何度も流行りの波がきては、去っていったのを見てきました。ここ数年では、〇〇アワードといったものが開催されていますが、数年前に受賞したサービスが、すでに市場から消えている、ということも起こっています。
新しい考え方、視点に触れることで得られることは沢山あると思います。 しかし、自分の足元をしっかりしておかないと、無駄な活動に時間を費やして しまう、最悪は逆効果を生んでしまう可能性があります。
そんなことにならないよう、流行り言葉やトレンドから意識的に距離を置いて、 現状を振り返り、人事がシステムやデータ活用に対して、 何にどう取り組んだらいいのか、を考えるセミナーを企画しました。
「情報は沢山入ってくるけれど、自社の課題に近づいている気がしない」
「自社のビジネスや経営に具体的に貢献している感覚が持てない」
と感じている方、是非一緒に考えてきましょう。
■「なぜ人事は、システム活用で自社の真の問題にたどり着けないのか?
~多すぎる外部からの情報・少なすぎる内部の情報~」
2021年7月27日(火)11:00~11:40
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