2021 / 09 / 15
第164回 「流行り言葉」「トレンド」断食をしてみてはどうだろうか
人材データの活用に関わる仕事をしていると以下のようなことを言われる ことがあります。
「離職率を下げたいので、退職予測をしたい」
「これからはエンゲージメント向上が重要。成功している企業の話を聞きたい」
「キャリアを自律的に考えてもらうために、データをオープンにしていきたい」
例えば、「離職率」。よくよくお伺いすると、
> すべての退職が、止めるべき退職だったのか。
> 退職直前の状況を超えて、「止めるべき退職」の本当の理由を
仮説検証
できているか。
> 退職率の高さが、今自社の人材マネジメントにとって一番優先順位の
高い課題・問題なのか。
こうしたことが検証されていないケースが少なくありません。 そうなってしまうと、本質からずれたリテンション対策を立ててしまったり、 単なる対症療法で終わってしまう可能性が高くなるはずです。
これは、「エンゲージメント」や「キャリア」の問題でも同じことが言えます。
そこで感じるのは、多くの会社で自社の人材や組織のことを、実は把握できて いないのではないか、ということです。今たまたま手元にあるデータの範囲で、 会社の経営目標に影響を持つレベルの本質的な課題までわかると考えてしまう。
その問題点を、「流行り言葉」や「トレンド」が覆い隠してしまっている。 そんなことが起きているように思えてなりません。
システム・サービスベンダーの営業とマーケティングを担当する者として、 「流行り言葉」や「トレンド」の力を使わないかと言えば、正直その力を利用 します。そうしたベンダーやメディアが多数いますから、世の中は 「流行り言葉」「トレンド」で溢れかえっています。リモートワークが一般化 し、営業電話が力を発揮できなくなっていることもあって、メーラーの受信箱 には、「流行り言葉」「トレンド」で気をひこうとする営業メールが ひっきりなしに到着します。
このメールもその一通ですから「何を偉そうに」と言われてしまうでしょうが、 自戒の念も込めて、一旦、「流行り言葉」「トレンド」断食をしませんか、と 心から思っています。
そして、自社の人材や組織について、本当に知りたい、知らなくてはならない という強い気持ちで、自社の人材や組織と向き合う。その上で、どうしたら 人材・組織を通じて、会社の成功(短・中・長期)に貢献できるのか、 借り物ではない自分の言葉でストーリーを紡いでみる。そんな時間を取って いただきたいと思います。
そのようなお話をするセミナーを行います。
ご興味のある方は是非ご参加ください。
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